2017年、仙台で開催された展示会で一人のアメリカ人と出会った。明珍家の歴史と火箸の音色に興味津々でこちらも片言の英語と身振り手振りで必死に思いを伝えた。マサチューセッツ工科大学(MIT)で金属工学を専攻する学生で東北大留学中のブラッドレー・ナカニシさん。話は弾んで意気投合した。
その後、姫路・野里の工房に来られ、私の手業で鉄材が瞬時に火箸に変わり、音色が生まれる様子を見て、「アメイジング!」と感動の面持ちだった。お互いの夢を語り合った。別れ際、彼は「MITに来ないか。ミョーチンの手業を研究仲間に見せてほしい」と誘ってくれた。
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