明珍火箸から生じる風鈴の精妙な調べ。製造工程は鍛造、着色、音合わせ、糸・短冊付けという流れをたどる。
音合わせは数十本、時には100本ある火箸の中から響きの相性が合う4本を耳で確かめながら選ぶ。風鈴に仕上げる糸付けは、火箸の重さと長さで結び目を調整し、心地良く鳴るように一定のバランスを保ち一組にする。この最終工程は簡単な作業に見えるが、毎回同じように仕上げるには熟練の手技が必要である。現在、長兄の宗久が主に担当している。
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。