連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

(4)もちつき 激動の年だから
  • 印刷
2004・12・1 兄弟、友人に囲まれる文夫さん(中央)=神戸市長田区御蔵通 1995・12・30 更地に力強くきねをつく音が響いた=神戸市長田区御蔵通
拡大

2004・12・1 兄弟、友人に囲まれる文夫さん(中央)=神戸市長田区御蔵通

1995・12・30 更地に力強くきねをつく音が響いた=神戸市長田区御蔵通

  • 2004・12・1 兄弟、友人に囲まれる文夫さん(中央)=神戸市長田区御蔵通
  • 1995・12・30 更地に力強くきねをつく音が響いた=神戸市長田区御蔵通

2004・12・1 兄弟、友人に囲まれる文夫さん(中央)=神戸市長田区御蔵通 1995・12・30 更地に力強くきねをつく音が響いた=神戸市長田区御蔵通

2004・12・1 兄弟、友人に囲まれる文夫さん(中央)=神戸市長田区御蔵通

1995・12・30 更地に力強くきねをつく音が響いた=神戸市長田区御蔵通

  • 2004・12・1 兄弟、友人に囲まれる文夫さん(中央)=神戸市長田区御蔵通
  • 1995・12・30 更地に力強くきねをつく音が響いた=神戸市長田区御蔵通

 震災の年の暮れ。被災地の迎春の準備は、いつもの年より静かで厳かだったように思う。

 それだけに、にぎやかな声は際立っていた。

 神戸市長田区の御菅地区。火の海にのみ込まれた街。更地の中で石うすを囲み、もちつき大会が開かれた。

 本丸文夫さん(53)は、この日を楽しみにしていた。末っ子、兄と姉が合わせて四人いる。

 両親が残してくれた木造二階建ての家は全焼、跡地にプレハブの仮住まいを建てた。仕事も失った。つらいことが重なったが、家族の恒例行事は中止したくなかった。

 振り下ろすきねに力がこもる。掛け声と笑顔。カメラのレンズ越しに、家族のぬくもり、強さを感じた。

 もちつきは、その後、三年ほど続いて途絶えてしまった。

 いろんなことが重なった。区画整理の網がかかり、仮設住宅での暮らしを強いられた。二十メートルほど南の土地に、ようやく平屋の家を再建したのはおととしのことだ。

 二重ローンに病気。兄も姉も辛苦を抱え、不安定だった。でも、何か起これば助け合って生きてきた。

 「また、もちつきやりたいなぁ」。文夫さんはずっと思い続けている。(写真部 岡本好太郎)

2004/12/3
 

天気(9月9日)

  • 33℃
  • 27℃
  • 30%

  • 34℃
  • 24℃
  • 40%

  • 35℃
  • 28℃
  • 20%

  • 35℃
  • 26℃
  • 20%

お知らせ