第4部・災禍を越えて
【1】阪神・淡路、そのとき 本部倒壊、使命への挑戦
六甲山が爆発したと思った。1995年1月17日午前5時46分。神戸市東灘区の自宅で就寝していた重元勝(77)は、激しい衝撃で目を覚ました。
起床する直前、夢の中で船に揺られていた。いきなり荒波にのみ込まれたような感覚だった。目を開けると、本やテレビが脚を直撃していた。家の外に出ようとした瞬間、激しい横揺れに見舞われた。そこで初めて「地震だと分かった」。
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