IoTことはじめ
(8)5Gの出現 ~スマートファクトリーの出口を探す~
私たちが5G(第5世代移動通信システム)によるスマートファクトリーに着手し始めたのは2020年初頭です。最も悩ましかったのは、限られたコストと時間の中で、実証実験によって「何を生み出すか」決定することでした。私たちの試算では5Gが本格化するのは2022年以降だと予測しており、少し先の未来を予測し、1年間の実証実験でさまざまなサービスの実用性を証明していかなければなりません。ローカル5Gによる単純なデータ転送だけでは(実際にはそれをするだけでも大変な労力なのですが)チャレンジの意味がないと考えたからです。
一口にスマートファクトリーと言っても、人によってイメージは多様です。ロボットや工作機械を自動で制御する工場を想像する人もいれば、荷台が工場内を縦横無尽に動いて部品を供給することを思い浮かべる人もいるでしょう。私と山本氏は1年間の実証実験で何をすべきか、数日間、相手先工場のパートナーと議論し、これまで訪問して把握したニーズと照らし合わせて考えました。
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。