街を仕掛ける-新進建築家の公共空間考
(1)「何が正解なのか分からない世の中で」
「良いと評価される建築が何なのかが分からない」-。
これは私が大学で建築学を学び始めた時に初めに抱いた気持ちで、今も忘れず、大切にしている初心です。正解のないデザインを提案し続ける行為は、数式を解いていつも同じ答えが導かれる受験勉強とは大きく異なり、自問自答をし続けます。同じ敷地で建てることは二度とないといっても過言ではなく、求められるコンセプトも毎回違い、予算もバラバラで、一度使った設計を他のプロジェクトで使えることはほぼありません。
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