父の昇さんが戦地から家族へ宛てた手紙を読む喜多村甫さん=稲美町役場
父の昇さんが戦地から家族へ宛てた手紙を読む喜多村甫さん=稲美町役場

 稲美町遺族会に所属する喜多村甫(はじめ)さん(81)=同町六分一=は生後間もない頃、父・昇(のぼる)さん(享年29)がフィリピンで戦死した。父の顔は覚えていないが、戦地を訪ねるなど、記憶にはない父の姿を探ってきた。終戦から80年。喜多村さんは10月、遺族会が企画する舞台「拝啓、おとうちゃんへ。2025」に出演する。出征した父への思いを、自筆の手紙を朗読する形で伝えるつもりだ。「平和な世の中をつくった先祖を誇りに思いたい」。舞台を通じて戦争の悲惨さや遺族の思いを次世代へ伝えたいという。