大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の人気が衰えない。弁当製造販売の淡路屋(神戸市東灘区)が9月に発売した陶器にミャクミャクをあしらったコラボ駅弁は、10月13日の万博閉幕後も注文が殺到し、予約を一時停止。陶器を増産し、11月下旬の予約再開を目指す。「売れるとは思っていたが、ここまでとは」。副社長の柳本雄基さんは驚きを隠せずにいる。
「EXPO2025 ミャクミャク ひっぱりだこ飯」(税込み1980円)。中身は通常のひっぱりだこ飯と同じだが、定番の陶器を白く染め、ポーズの異なるミャクミャク3体などを描いた。
勢いは発売初日の9月18日からだった。「一体何を売っているんですか」。売店を置く関西圏の駅から同社に問い合わせが入った。売店前に朝から長蛇の列ができていた。
他の店舗も連日の行列、完売で、混乱を避けようと、10月1日にはサイトでの事前予約制に変更。それでもサイトには1日に3万件のアクセスが集中し、用意する数百個は毎日、数分足らずで売り切れた。サイトは交流サイト(SNS)で「淡路屋パビリオン」と呼ばれている。
あまりの人気に当初用意した1万5千個の陶器の在庫が少なくなり、同26日に予約の受け付けを一時停止。5万個の追加生産に踏み切った。「人気はうれしいが、買えないのは申し訳ない。何とか皆に届けたい」と柳本さん。予約再開は11月下旬を予定し、年明け以降も販売を続ける計画だ。
万博での弁当需要に伴う忙しさに、今回のヒットが重なる。店舗や電話で対応に追われた社員らには、冬のボーナスとは別に特別賞与を準備しているという。
コラボを機に、定番の陶器にあしらってきたタコに初めて「タコタコ」と名付けた。柳本さんは「あの万博の時に付けたとなるでしょ。これもレガシー(遺産)かも」と笑った。(大盛周平)
























