元役員によるパワハラ事案などについて説明するJR西日本の長谷川一明社長=13日午後、大阪市北区
元役員によるパワハラ事案などについて説明するJR西日本の長谷川一明社長=13日午後、大阪市北区

 JR西日本の長谷川一明社長は13日の定例会見で、2023年1月に大雪で京阪神地区の多くの列車が立ち往生した問題を検証する会議をめぐり、当時の役員の激しい叱責がパワハラと認定されたことを受け、「役員を代表して心からおわび申し上げる」と謝罪した。長谷川社長自身も別の会議で厳しい口調で発言したとして、「社員を萎縮させてしまったことは大変申し訳ない」と陳謝した。

 役員によるパワハラは、鉄道の安全管理体制に関する第三者機関の評価報告書を今月5日に公表した際に明らかになった。報告書では社員への調査で、長谷川社長らから怒鳴られ、言い返せない雰囲気になるとの訴えもあった。

 長谷川氏は自身を含む役員らが専門家の研修を受けたとし、「非常時も含め、コミュニケーションや仕事の進め方を改善したい」とした。報告書で複数の社員から「JR西は昔に戻った」とのコメントが寄せられ、「真摯に受け止め、立ち戻ることがないように進めていく」と強調。尼崎JR脱線事故の遺族らから厳しい意見があることについては「ご心配をかけ、深くおわびを申し上げたい」と述べた。(大島光貴)