体内の免疫システムの中で重要な役割を担う「免疫グロブリン」。この一種に当たる「IgG4(アイジージーフォー)」を作る細胞が全身の臓器でさまざまな症状を引き起こす「IgG4関連疾患」は、日本で提唱された新しい概念の病だ。一般にはあまり知られていない同疾患について、3月8、9日に神戸市で開かれる「第16回日本IgG4関連疾患学会学術集会」の会長を務める児玉裕三・神戸大主任教授(消化器内科学)に聞いた。(井原尚基)
IgG4関連疾患は全身のいろいろな臓器で発症。侵される臓器によって症状が異なり、例えば膵(すい)臓では黄疸(おうだん)や糖尿病、涙腺や唾液腺ではまぶたや下顎の腫れ、ドライアイ、ドライマウス、肺ではぜんそく症状などが現れる。児玉主任教授は「全身のどの臓器にでも発症し、いったん症状が治まっても、時期を置いて別の臓器で発症する場合がある。命にかかわることはほとんどない」と説明する。