大正時代のおんたき茶屋の風景。机上にあるのは炭酸水の瓶(山口公子さん提供)
大正時代のおんたき茶屋の風景。机上にあるのは炭酸水の瓶(山口公子さん提供)

 「また滝か」と思われたかもしれないが、今回の主役は炭酸水である。

 「この机の上にある瓶、炭酸水じゃないですか」

 滝を眺める女性の写真。この1枚を見て感慨深げに話すのは、市職員の志方功一さんだ。志方さんは骨董(こっとう)市やネットを通じてレトロな炭酸飲料の瓶を集めている。収集した瓶は100本を優に越え、愛好会を立ち上げて炭酸の魅力発信にも力を入れている。

 「えっ、ビールでしょ?」と尋ねたが、志方さんは自信ありげに「違います」。拡大すると、確かにラベルに「TANSAN」と記されている。しかし、普通は気付かないだろう。