実家の鮮魚店で書店を兼業する北野洋子さん。兄と姉が手がけた本や魚の料理本を手に「地域の人に読書の喜びを」と話す=南あわじ市志知佐礼尾
実家の鮮魚店で書店を兼業する北野洋子さん。兄と姉が手がけた本や魚の料理本を手に「地域の人に読書の喜びを」と話す=南あわじ市志知佐礼尾

 気になる。鮮魚店なのに、なぜか新刊書の棚がある。1冊を手に取って会計に向かうと、レジの女性いわく「これ、兄がつくった本なんです」。まさかの謎が謎を呼ぶ展開。興味をそそられ、詳しい話を聞いてみた。(劉 楓音)

■3年前に帰郷、読書が趣味だったが…

 店の名は「さかな食堂 フレッシュきたの」(南あわじ市志知佐礼尾)。新鮮な魚介類のほか、煮付けや天ぷらなどの総菜も扱う。食堂も併設しており、海鮮丼や定食が評判だ。

 その一角に本棚がある。魚や海に関する本のほか、吉本ばななさんの小説や向田邦子さんのエッセー、レシピ本や絵本など約80冊が並んでいる。