特殊詐欺被害を未然に防いだとして、兵庫県警明石署は３月３０日、日新信用金庫２支店の職員４人に感謝状を贈った。

　西明石支店（西明石南町２）では２月３日午後、女性（８２）が１人で来店し、窓口に定期預金通帳の解約を申し出たという。対応した吉岡映海さん（２４）は、女性が使用目的を話そうとしないことから詐欺を疑い、上司の奥屋恭祐さん（４１）に相談した。女性から「入院している息子が財布と携帯を取られて現金が必要と言っている」との話を聞き出し、通報して被害を防いだ奥屋さん。「詐欺の話はよく聞くが、自分が対応するとは思わなかった。防げてほっとした」と笑顔を見せた。

　江井ケ島支店（大久保町江井島）では２月８日午後、ショッピングセンターのＡＴＭ前から女性（６６）が電話をかけてきたという。対応した喜種（きだね）夏未さん（２４）は電話で残高を尋ねる女性に違和感を抱き、使用目的を尋ねた。女性は焦った様子で話がかみ合わず、詐欺だと思い上司の内橋克博さん（４７）に引き継いだ。

　内橋さんは女性が混乱している様子だったため「何もせずに待っていて」と伝えて女性の元に向かったという。詐欺だと知った女性は感謝の言葉を伝えに後日来店した。喜種さんは「防げて良かった。今後も感度を高めていきたい」と話した。（領五菜月）