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市議会での退任表明を受け、記者会見に応じた明石市の泉房穂市長(左)。今後の政治活動などについて質問が相次いだ=12日午後、明石市中崎1(撮影・小林良多)
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市議会での退任表明を受け、記者会見に応じた明石市の泉房穂市長(左)。今後の政治活動などについて質問が相次いだ=12日午後、明石市中崎1(撮影・小林良多)

 来年4月の任期満了をもっての退任と政治家引退を市議会で突然表明した兵庫県の泉房穂明石市長。議会本会議後に行われた記者会見のやりとりをまとめた。

 -将来にわたって政治家をしない決断をした心境は。

 「あるまじき行為(今月8日の暴言)をしてしまった責任を取る。今後は心ある政治家をつくるのに生涯をかけたい」

 -政治家をつくるというのは、泉市政を引き継ぐ候補を立てるということか。

 「簡単には答えられないが、国会と市長の経験から、応援団や政策アドバイザーのような役割になりたい」

 -政党に所属するのか。

 「新党をつくるのは一つの方法だと思っているが、既存政党に属することはない。首長をつくって明石市の政策を全国に伝えたいと思っている」

 -暴言は議決権の侵害だという指摘もある。

 「深い意味はなく、腹が立って暴言を言ってしまった。言われた人はショックだろうし、申し訳ない」

 -決断したタイミングは。

 「最終的には10日に決断した。暴言の報道が出た後、選挙を応援してくれた20人ほどに電話して、今までの感謝を述べた。市長としては終わりだが、違う形で市政に関わる。市長選を含めて一切選挙に出ることはない」

 -積もり積もったものが爆発したとあったが。積もり積もったこととはなにか。

 「市民だけを頼りに当選して、議会とは当初から緊張関係が続いていた。出て行けというような雰囲気の中で就任した。結果として、この12年何も変わらなかった」

 -問責決議が可決された。

 「重く受け止めるが、議案は不合理なものだと思う」

 -議案は専決処分を議会制民主主義の否定と指摘している。

 「そうは思わない。議会の嫌がらせに屈して市民が困っていると思ったので専決処分した」

 -これまで議会と対立する中で、引退がよぎることはあったか。

 「市長になった当初、他の市長らから『3期12年でできないことは、4期5期あってもできない』と聞いてたので、市長というのは10年ぐらいだろうと考えていた。県知事選も、声がかかったときに迷ったのが正直なところ。ただ、4年前の暴言があって戻ってきた身としては、いきなりいなくなるわけにはいかない。今の明石市政をいかに引き継ぐかと考えていたので、3期12年を区切りにするのはすっきりしている」

 -今回のことがきっかけで踏ん切りがついたということか。

 「(暴言は)わざとやったわけではないが、結果としてやり残した感はない。私がいなくなった後に破綻するようにはしたくなかった。例えば小中学校の給食は、中学校だけ無料にした。小学校も無料にすると、後の市長の首を絞めると思った。『優しい社会を明石から』と言い続けてきた。明石から始める、というのは3期でできたと思う。明石から広げる、というのをこれからやっていきたい」

 -暴言を批判しつつ、政策を評価する声もある。暴言を改めてやり直す考えはないのか。

 「ない。責任の取り方は大事だ。まだ50代なので、今なら全国の街を変えることは不可能ではないと思う」

 -いつから引退を考えていたのか。

 「昨年12月の旧優生保護法の(不妊・中絶手術を強いられた障害者らを支援するための)条例制定で、明石市でやりたいこと、やるべきことができたと思った。明石から始めるから、明石から広げるにシフトしたいと思い始めた。ツイッターを始めたのもその時期だ。議会とのあつれきがあり、これ以上の政策展開は難しいと感じていた」

 -首長をつくって、どんなことを伝えていきたいのか。

 「市長には権限があるのに、それを眠らせるのを見てきた。本当は違うのに、周りに言われるとできないと思ってしまう市長が多い。そのように諦めている市長にアドバイスをしていきたい。もうすでに、何人かの市長には始めている」

 -ジェンダー平等を掲げているが、今回女性に対して暴言を言った。その整合性は。

 「自民党と公明党に対する怒りが爆発したのであって、女性だからということはない」

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