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 人の祖先がアフリカを出て世界に広がり、文明を築いた。その過程で様々な動植物との遭遇と改良が重要な働きをしたと、地理学者J・ダイアモンドは言う(『銃・病原菌・鉄』)。さらに時代を経て、蒸気機関や核技術が人口爆発を導き、今や気圏の安定が破壊されつつある。地球ではこれ以上の食糧増産は望めない。ワールドウォッチ研究所のレスター・ブラウンも、肉食と自動車が持続性を脅かすと警告してきた。にもかかわらず、CO2排出が温暖化の要因とは言えないなどという詭弁(きべん)や統計的操作で、1・5度の目標値達成は遥(はる)か彼方(かなた)である。2013年にFAOが昆虫食(飼料用を含む)を推奨し、反響を呼んだ。なぜ、今昆虫食か? 昆虫は同化効率が高く、温室ガス排出が少ない。肉と同等の栄養価。高ミネラル。糞尿(ふんにょう)処理不要。土地利用効率も高い。欧米では法整備と生産消費体制が構築されつつある。

 佐用町でコオロギ・ファームをやっている。クリーンでグリーンな産業育成で、里山保全のための経済支援と、環境と生物多様性の保護の役も担う。かつて昆虫食は普通だったが、今は心理的ハードルが高く、まだコストも高い。だが、何か人の健康に寄与する機能的な成分があるなら、人はお金を出しても求める。そして、これがありそうなのだ。

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2023/6/8
 

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