戦争や自然災害は世界を激変させる。それを意図的に経済政策に利用する動き(シカゴ学派)を、ナオミ・クラインは「ショック・ドクトリン」と批判した。「壁」の崩壊や9・11の後、世界は変った。コロナ禍が次のショックで、気候変動とAI(人工知能)革命を連れてきた。学校や職場が閉鎖され、生活がバラバラになった。そこに露宇戦争だ。パンドラの箱を開けたのか? 疑心暗鬼が世界を包んだ。残った希望を頼りに、普遍的な価値と美徳の再確認から巻き直すしかない。
AIと関連テクノロジーは知らぬ間に生活の隅々に浸透した。スマホに仮想通貨、顔認証や囲碁将棋の世界にまで。『ホモ・デウス』の著者ハラリや、GAFAなどテック企業のトップまで「心配」を述べる。AIの開いた大きい口はもうすぐそこだ。
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