連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

  • 印刷

 世界では賃金が上がりつづけているのに、日本では20年以上もの間、上がっていない。隣国である韓国の賃金が日本を上回ったという事実(これには異論もあるが)も大きく報道された。実は、韓国に限らず新興国でも賃金は上がっている。特に、新興国の中心都市の発展はめざましく、進出したグローバル企業に勤める上級社員の賃金は日本の大手企業の社員をも上回る。グローバル労働市場への接合が賃上げの大きな推進力となっているわけだ。これは新興国ならではの事情ともいえる(その分格差も著しいのだが)。

 翻って日本では、国際的な労働市場への国内市場の接合は「底辺へ向かう競争」を引き起こすといわれてきた。海外の方が賃金が安いため、競争にさらされることで日本の賃金が引き下げられるというわけだ。ところが、最近ではその構図がある部分では反転してしまった感がある。日本の最底辺市場で賃金引下げ圧力になると言われてきた外国人技能実習生や特定技能の労働者たちでさえ、賃金が低すぎる日本から韓国や台湾など近隣諸国へと逃避しはじめている。また、大企業の高技能の労働者や最先端の研究者たちはグローバル水準の賃金はもらえていないため、人材流出の加速が懸念されている。

この記事は会員限定会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。

2022/12/21
 

天気(9月8日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 40%

  • 33℃
  • ---℃
  • 40%

  • 34℃
  • ---℃
  • 20%

  • 35℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ