学生から、「仕事選びをどうしたらいいでしょうか」と問われることがある。最近ではその質問に「日本から出るべきですか?」というものが混じってきた。海外移住も含め、これから一番よい仕事の選び方が知りたいのだという。確かに、インフレや円安の影響で日本の賃金は相対的に低下した。だが、海外に移住したところで、賃金は上がるかもしれないが生活費もそれ以上にあがってしまうかもしれない。そもそも、海外で採用されるスキルがなければ移住そのものが絵空事だ。
海外出稼ぎで注目を集めている職業の筆頭格は寿司(すし)職人だろう。中には年収8000万になるケースもあるという。その他にも、例えばデジタル技術者の需要は高い。いわゆる「手に職」がある労働者にチャンスがあることがわかる。これまで国内で重視されてきた「有名企業の正社員」などというブランド力は通用しない。グローバル労働市場では具体的な職業スキルと経験が問われるからだ。
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