早いもので、師匠桂春之輔(現四代目桂春団治)の門をくぐり、丸15年が経(た)ちました。そのせいか最近、友人や知人から「真打ちにはいつなるの?」などと聞かれることが多くなり、その度にむず痒(がゆ)い気持ちになります。
というのも、私が所属する上方落語協会には、真打ち・二つ目・前座という階級制がありません。正確に言うと戦前、大正まではあったんやそうですが、一度廃止されてから復活しておりません。これは上方が江戸と違い、戦後60年間、天満天神繁昌亭が出来(でき)るまでの間、定席の寄席がなかったというのが大きく影響しています。
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