神戸新開地・喜楽館の柿(こけら)落としに出演が決まった話の続きです。私の母は、前年から大腸がんのステージ4で入院していましたが「アンタが喜楽館に出るんやったら、絶対観(み)にいくから」と意気込んでいました。
しかし病状は思わしくなく、柿落とし公演の2週間前には在宅緩和ケアに切り替わり、担当医師から「持って後半月、外出して舞台を観に行くのは無理ではないか」と言われていました。ところが奇跡が起きました。母は当日まで生きていて、介護タクシーの協力もあり、なんとか喜楽館に行けたのです。また劇場には予(あらかじ)め車椅子席を使わせて頂くようお願いしており、スムーズに入れたようです。
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