暖かくした部屋で冷凍みかんを食べるのが好きだ。しゃりっとした歯ごたえとともに胸がキュンとなる思い出が蘇(よみが)える。
高校3年の冬。大学受験のためひとり京都へ向かった。地元たつの市の姫新線・本竜野駅のホームに英語担当だった先生が夕焼けの中を走って見送りに来てくださった。発車間際、窓越しに「頑張ってきなさい。グッド・ラック!」。励ましとともに、今ではもう見かけなくなった懐かしいビニール容器のお茶とお弁当、冷凍みかんを持たせてくださった。
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