〈茜(あかね)に染まる坂登れば/甍(いらか)の波を見渡せる丘/彼岸花(ひがんばな)咲き誇るあの畦(あぜ)道/今朝早く母の夢を見ました〉。秋のお彼岸を象徴する、どこか懐かしい故郷(ふるさと)の花・彼岸花。この花をテーマに作詞した歌をリリースした昨年、たつの市の実家の裏庭に1本だけ真っ赤な彼岸花が咲いた。鳥が種を運んで来るような花ではないのに何故1本だけ? 何かのお告げだろうか? お彼岸に母が挨拶に来たのかな。
唯一無二の姿をしたエキゾチックで凛とした姿に強い意志を感じる。地下茎の植物なので根が張って畦道の土やお墓の周りの土が崩れないように守る役目がある。昔の人は不吉な花のように言ったらしいけれど今は違う。色も赤、黄、白と多彩で素敵な花言葉もある。情熱、また会う日を楽しみに、思うはあなた一人、追想、深い思いやりの心…。
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