夙川から好物のピザが届いた。小躍りしながら冷凍庫のスペースを空ける。トースターで5分。直径10センチほどの薄いパイ生地がサクサクと口の中でほどける。ふと学生時代の朝食の光景を思い起こす。いつも寝ぼけ眼でぼんやりしていたけれど、トロリとしたチーズとサラミの塩味、ピーマンの苦味は、はっきりと記憶に刻まれている。
ここのところ、子供の頃に親しんだ味が恋しい。ステイホームの一番の楽しみは食べること。「お取り寄せ」がより一層生活に溶け込み、有り難い。
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