5月の初め、まだ春の日差しに慣れてなかったのだと思う。会社の野球部の監督をするぐらい元気な父が倒れた。今でいう熱中症だったのだろう。あっという間に亡くなってしまった。父36歳、私6歳、小学校に入ったばかりだった。生活は大変になるのだが、祖母や母の頑張りで、姉を含めて家族4人は何とか元気を取り戻すことができた。
小学校では直径1メートル以上ある欅(けやき)の木の下でキックボールを楽しむ毎日だった。ホームベース上に置いたボールをキックしてゲームは始まるのだが、意外に面白く、朝早くから学校に行っていた。帰った後は友人の家の庭で鬼ごっこ、相撲、そして多分、「くちくすいらい」と言っていたと思うのだが、鬼ごっこと戦争ゲームを併せたようなゲームをしていた。
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