京阪には、ラッシュ時・夜間に運行される全車座席指定列車「ライナー」が存在します。この「ライナー」には、一部とはいえ、ロングシートがあります。一般的に、クロスシートとロングシートを比較すると、クロスシートの方が快適度は勝る、と言われています。それでは、京阪「ライナー」のロングシートは、「外れ席」なのでしょうか。
■ロングシートでも料金は一緒
「ライナー」に乗車するには、普通乗車券に加え、「ライナー券」が必要です。「ライナー券」は乗車区間によって異なり、300円ないし380円です。「ライナー券」の価格は、ロングシートでも変わりません。
私は、事前に「ライナー券」を購入しました。座席は座席表から選べ、ロングシートも選択できます。座席表を見ると、ロングシートにも予約が入っていることが確認できました。
2列+2列のクロスシートを1人で利用する場合、隣客によっては気まずい雰囲気になることも。
一方、ロングシートですと、開放的なこともあり、先述したリスクの可能性は減ります。そのため、乗車時間最大1時間程度であれば、ロングシートの需要もあるように感じます。
■「日本一豪華なロングシート」にふさわしい乗り心地
私は京橋駅17時43分発「ライナー」出町柳行きに乗車しました。京橋駅には、17時30分頃に到着。ホーム上には「プレミアムカー券・ライナー券キャッシュレス券売機」があり、途切れることなく利用者がいました。プレミアムカーやライナーといった座席指定システムが、京阪の利用者に根付いていることを実感するシーンでした。
ライナーは8000系が使われ、両端がロングシート、中間部が転換クロスシートです。私は5号車に乗車しましたが、ロングシートの一角にはすでに3名の利用者がいました。転換クロスシート部は1列目は全席が埋まり、2列目はちらほら埋まっていました。
8000系のロングシートは「日本一豪華なロングシート」をうたっているだけに、座り心地は抜群。ソフトな座り心地と腰にフィットするバケットシートがたまりません。
また、立席客がいないため、転換クロスシートと比較すると、足が伸ばせる点も利点のひとつです。
強いて挙げるとすれば、西武の座席指定列車「S-TRAIN」に使用される40000系のような肘掛けをリクエストしたいところです。
17時58分、京橋駅から最初の停車駅の枚方市駅に到着しました。ロングシート部からも、私以外に同駅で降りる姿を見かけました。淀屋橋駅から枚方市駅までは20分ほどですが、確実に着席できるライナーの需要があることが再確認できました。
また、ロングシートであっても、転換クロスシート並みの座席のクオリティであれば、転換クロスシートと同等、場合によっては、それ以上の快適性が得られることも、今回の乗車で学びました。
(まいどなニュース特約・新田 浩之)
























