普段の生活の中で、警察官と接する機会は多くありません。警察官に話しかけられると、つい身構えてしまうという人も多いのではないでしょうか。そんな「ちょっと緊張する瞬間」をコミカルに描いた漫画『探し物』(作・山崎ハルタさん)が、SNSで話題を集めています。
舞台は、とあるごく普通のコンビニです。ドアチャイムが鳴り「いらっしゃいませ」と挨拶しながら店員が顔を上げると、入ってきたのはなんと二人組の警察官でした。
突然の来店に店内の空気がピンと張り詰めます。警察官たちは真っすぐレジへ向かい、「実は探し物をしてまして。こちらの商品って置いてます?」と一枚の紙を差し出しました。ふたりの質問に、若い店員は慌てて店長を呼びだして確認してもらいます。すると店長は動揺しながら「確かにうちで取り扱っておりますが……何か問題でも?」と答えます。
店長の回答を聞いて警察官たちはうなずき、「うむ、見せていただこう」と商品棚へ向かいました。その姿に店員たちは息をのみ、「倒産」「マフィア」「違法取引」そんな物騒なワードが頭をよぎり、互いに手を握り合うのでした。しかし次の瞬間、「じゃ、これふたつください」と、警察官たちは普通にお買い物を始めます。
「ええ?」と驚く店員たちをよそに、会計を済ませた警察官たちは「急がないと休憩終わっちゃうっスよ」と軽快に店を後にします。彼らが購入したのは、署で飼われている猫(通称、署長)のごはんだったのです。
読者からは「店員さんの気持ちわかる。なんかドキドキするんだよねぇ」や「何年か前に近所のスーパーに警官がいて、何かあったのかと思ったら…真剣にお惣菜を吟味してました!」など、店員の気持ちに共感する声や実際に警察官の買い物を目撃した人の声が多くあがっています。そんな同作について、作者の山崎ハルタさんに話を聞きました。
■コワモテな警察官に意外な一面というギャップ
ー警察官が登場しますが、何か参考にされたものやモデルがいるのでしょうか。
具体的なモデルさんはいないのですが、警察官を街で見かけるたびにいつもその立ち姿を目に焼き付けてます。不審がられない範囲で観察するようにしています(笑)。絵の参考にしたいので、と説明して写真を撮らせていただいたこともあります。細かい装備などは難しいので書籍やネットからの情報を参考にしています。
ー作品を描かれる際に気にかけておられることはありますか。
コワモテな警察官に意外な一面が!というギャップを出せるように考えています。読んだ人の心が温まる話を作りたいです。
ー作品に寄せられた声で気になったコメントを教えてください。
『この2人の生活ずっと監視していたい』『この風景が当たり前になるといいな』などのコメントをいただきました。コンビニの店員は、拙作『うちの上司は見た目がいい』にも出てくるキャラクターなのですが、気が付いた方々がたくさんいて『店長とバイトくんお元気そうでよかった』など、喜んでいただけて嬉しかったです。
(海川 まこと/漫画収集家)
























