「もう…あかん」。工場閉鎖からV字回復した奇跡とは!?(笏本達宏さん提供)
「もう…あかん」。工場閉鎖からV字回復した奇跡とは!?(笏本達宏さん提供)

長期にわたり低迷が続く国内のアパレル業界。

しかし今、SNS上で大きな注目を集めているのはそんなアパレル業界で困窮しながらも活路を見出した業者のエピソード。

「正直、今年の1月に『もう…あかん』と思ってた。もう工場を閉めようかな…って。
仕事がなくて…。
だから今、予想を超えるご注文のアタフタがありがたすぎる。
こんな奇跡、あってええんやろか?
──生地職人さんが言ってた。
でもね、これは『奇跡』じゃなくて、お互いの『行動の結果』です。」

と取引業者のエピソードを紹介したのはスーツ、ネクタイの製造を手掛ける株式会社笏本縫製(岡山県津山市)代表取締役の笏本達宏さん(@shakunone)。

兵庫県で播州織などの織布を手がけるこの業者も、ご多分に漏れず廃業の危機にあったという。しかし2025年8月、笏本さんの次男が生まれることがきっかけで誕生した「ダブルガーゼハンカチ」が、発売後わずか2時間で1500枚完売。SNSのフォロワーも急増する大ブレイクとなり、現在は焦るほど仕事に追われているのだそうだ。

笏本さんにお話を聞いた。

ーーダブルガーゼハンカチが生まれた頃はどんな状況だったのでしょうか?

笏本:取引業者さんと弊社、両社とも苦しい中「知ってほしい」の一心でSNSでの発信を続けていました。そんな中、私の次男が8月に生まれることをキッカケに、その業者さんとダブルガーゼの商品を作ることになったんです。あまりに可愛いデザインで肌触りもよく、それを縫製した我々がSNSにアップしたところ思わぬ反響を呼びました。これは奇跡ではなく、お互いが動いた結果なのだと思います。

ーー投稿に大きな反響がありました。

笏本:「職人の未来を信じたい」と共に想ってくださる声が多く、ものづくりの火はまだ消えていないと強く感じました。 「ものづくりはまだ戦える」と感じ、たくさんの応援の声を頂戴しましたこと、心より感謝しております。

◇ ◇

SNSユーザー達から

「素晴らしい❢ うちも、必ず、あとに続きます❢ 『覚悟』を持って、『行動』します」
「6年前に渡米してきて、現在サンフランシスコ在住です。 住んでみて改めて感じているのは、日本製の品質の良さです。格外に違うと私は思ってしまいます。 これからは、真面目に真摯に向き合っている人達の時代です。 どうぞ誇りを持って先人達が残してくれた物を守ってください。」
「私もなるべく日本製の物を選ぶ様にしています 値段は高くても長く使おうと大事にするし。 もっと買い物に行って日本製が増えるといいなといつも思ってます 」

など数々の感激の声が寄せられた今回の投稿。日本のものづくりが再び正当な評価を受けられる日が来るよう願いたい。

株式会社笏本縫製・笏本達宏さん関連情報
「小さく一隅しか照らすことはできないかもしれませんが、“日本製を守る”という使命を胸に、工場と職人の想いを未来につなぐ挑戦を続けています」
公式サイト:https://shakumoto.co.jp
Xアカウント:https://x.com/shakunone

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)