ブンコレ~おすすめ文具コレクション
教授用木製定規(ミニ) 算数嫌いにも懐かしく
もうすぐ新学期。大きな定規や分度器で算数を教わった思い出がよみがえります。全国でも数少ない大阪府八尾市の専業メーカーが、本物のミニチュアを手掛けました。
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1927(昭和2)年創業の加藤数物製作所は、先生が授業で使う「教授用定規」などを製作する。長さ1メートルの定規や60センチの三角定規、分度器などを全国の学校に納め、50~60年代には年数百セットが売れた。
しかし、近年は少子化やパソコンの発達で需要が減った。新たな販路を開拓しようと、「二次曲線」の概念を分かりやすく説明する立体模型などを、色鮮やかなオブジェに仕立てて売り出した。
そして昨年夏、教授用定規の小型化に取り組んだ。縮尺は10分の1程度。実物に使う合板にレーザーで目盛りを刻んで形を切り出し、表面を磨いて塗装、さらに磨いて色を重ねる。真ちゅう製の取っ手がワンポイントだ。
東京の展示会で人気を集め、さらにクラウドファンディングでも好反応を得た。4月下旬にも開設する自社サイトで販売を始める。
「算数や数学嫌いだった人も懐かしんでもらえるのでは」。自信を持って納得。(佐伯竜一)