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6年生から引き継がれたアサガオの種を手にする5年生(右)=新田小
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6年生から引き継がれたアサガオの種を手にする5年生(右)=新田小
アサガオの種が入った封筒につづられた5年生へのメッセージ=新田小
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アサガオの種が入った封筒につづられた5年生へのメッセージ=新田小

 阪神・淡路大震災が発生してから丸28年となった17日、兵庫県豊岡市河谷の新田小体育館で追悼集会があった。同校の児童は、震災で犠牲になった同県芦屋市の米津深理(みり)ちゃん=当時(5)=が育てていたアサガオの種を「みりちゃんのアサガオ」として代々受け継ぎ、栽培してきた。今年も追悼集会で、6年生から5年生へ深理ちゃんの思いと一緒に種を引き継いだ。

 深理ちゃんが暮らしていたアパートは激しい揺れで全壊。兄の漢之君=同(7)=とともに亡くなった。入学する予定だった芦屋市の精道小では、教員らが種を継いで栽培していた。

 新田小の校庭には2004年の台風23号の被害を受けながらも、その後に芽吹いて再生したポプラの木があった。同校は、その話を絵本にした活動などが認められ、防災に取り組む学校などを表彰する「1・17防災未来賞」優秀賞を07年に受賞。表彰式で、精道小のアサガオの種とポプラの苗木を交換した。

 この交流をきっかけに、6年生の児童会メンバーらを中心に校内の花壇でアサガオの世話をしており、毎年1月に5年生に種を託している。

 昨年1月末ごろ、新田小に手紙が届いた。種の継承を紹介した新聞記事を見た深理ちゃんの父親からだった。上田裕紀校長によると、毎年続けて栽培することへの感謝の言葉が記されていた。全校生に手紙が届いたことを知らせ、児童会が代表して手紙で返事を書いたという。

 17日の追悼集会で上田校長は、震災の深刻さを新田地区に重ね合わせて説明。「新田の人口は約3400人。その約2倍の人が亡くなった」と表現した。

 種の引き継ぎでは、6年生の代表6人がアサガオを育ててきた経緯を披露した。5年生に「(昨年の)夏には、天国にいる深理ちゃんに笑顔が浮かぶようなきれいなお花が咲いた。今年もたくさんの花を咲かせてください」と話し、5年生の代表2人に186個の種が入った封筒を手渡した。

 6年の女子児童(12)は「深理ちゃんはきっと優しい子だった。深理ちゃんの気持ちになって、これからも続けて受け継いでいきたい」。5年生の男子児童(11)は「きれいな花を咲かせたい」と話した。

【特集ページ】阪神・淡路大震災

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