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(左から)板前の坂田豊男さん、三七十館女将(おかみ)の小柴清美さん、若女将の小柴奈美さん、板前の村上彰さん=香美町香住区香住、三七十鮨
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(左から)板前の坂田豊男さん、三七十館女将(おかみ)の小柴清美さん、若女将の小柴奈美さん、板前の村上彰さん=香美町香住区香住、三七十鮨
香住漁港で水揚げされた魚介類を使った「おまかせにぎり」=香美町香住区香住、三七十鮨
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香住漁港で水揚げされた魚介類を使った「おまかせにぎり」=香美町香住区香住、三七十鮨
香住を代表するすし店だった=香美町香住区香住、三七十鮨
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香住を代表するすし店だった=香美町香住区香住、三七十鮨
小柴かつ子さん(提供)
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小柴かつ子さん(提供)
おまかせにぎりと赤だし=香美町香住区香住、三七十鮨
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おまかせにぎりと赤だし=香美町香住区香住、三七十鮨

 香住漁港前に店を構え、地元や観光客に愛されてきた「三七十鮨(みなとずし)」(兵庫県香美町香住区香住)が、7月20日の営業を最後に閉店することを決めた。香住を代表するすし店の一つだったが、3月に50周年を迎えたのを区切りにするといい、長年通ったファンから惜しむ声が上がっている。(長谷部崇)

 店は、大将の小柴勝昭さん(62)の母かつ子さん(90)が半世紀前に開業。屋号はミナトの語呂合わせで、3・7・10と数字が大きくなることで「末広がりになるように」と願いを込めたという。

 勝昭さんは20歳ごろからカウンターに立ち、舌の肥えた地元の漁師らも店に通った。特に地域の夏祭りが相次ぐ7月は仕出しの注文が殺到。「昔はカウンターや座敷にすしおけが積み上がり、お客さんが見えないほどだった」と勝昭さんの妻清美さん(63)。約30年前には1日最高1200人分をつくった。

 人気メニューは、香住漁港で揚がった魚介類を使った「おまかせにぎり」や海鮮丼。「焼き鯖寿司(さばずし)」や「香住かに寿司」も名物で、京阪神など遠方から毎年のように訪れるファンも。かつ子さんは長時間の立ち仕事ができなくなってからも、漬物を漬けたり、昆布を炊いたりして店を手伝った。

 勝昭さん、清美さん夫妻は、1995年にオープンした旅館「三七十館」(香美町香住区境)とともに店を営んできたが、急速に進む人口減少に加え、近年は従業員の人手不足も課題に。「最高の味やサービスを提供できなくなる前に」と3月の開業50年を機に、店を畳むことに決めた。

 「一つの歴史が終わるんだなと感じる」と勝昭さん。ただ、店の従業員は旅館に移り、すしづくりの技術や三七十鮨の味は守っていくといい、「今後もイベントなどで焼き鯖寿司や、香住かに寿司を提供したい」と話す。

 旅館が忙しくなるゴールデンウイークまでの約1カ月間、いったん店を閉めたが、常連客などから問い合わせが殺到。5月8日~7月20日を「最後の感謝営業」として店を開けることにしたという。期間中は無休。午前10時半~午後10時(平日午後3~4時は準備のため休む)。

 三七十鮨TEL0796・36・1262

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