桜井崇啓さん
桜井崇啓さん

 フランスやオーストラリアなどでの料理修業を経て、2023年12月、生まれ育った姫路市御国野町に自らの城を構えた。住宅街に隠れ家のようにたたずむ店には、県外からも多くの人が訪れる。

 ずっと料理の道を追い求めてきたわけではない。調理の専門学校を卒業後、東京の有名店に入ったが、朝から夜遅くまで働く生活に疲れ果て、2年ほどで辞めた。料理を見るのも嫌になった。

 姫路に戻り、工場勤務をしていたが夢を諦めきれず、フランス南部のリヨンに単身渡った。肉を焼く以外の工程を経験。休日には他のレストランを食べ歩き、料理人としての基礎をつくった。オーストラリアのメルボルンでは、ワイナリー併設のレストランで勤務。近くの山や川で取れた食材を使っていたことが、地産地消を大切にする自身の店の原点になった。