日本維新の会 候補者選挙カーを巡る公費支出の流れ
日本維新の会 候補者選挙カーを巡る公費支出の流れ

 日本維新の会に所属する兵庫県内の複数の地方議員が、国政選挙の党公認候補らに、街頭宣伝などに使う選挙運動用自動車を有償で貸し出し、候補者を介して県から支出されたレンタル料を受領していたことが、神戸新聞社の情報公開請求で分かった。少なくとも2024年の衆院選と23年の県議選で確認された。専門家は党内議員への「公金の環流」と指摘する。

 神戸新聞社が県選挙管理委員会への情報公開請求で入手した「選挙運動用自動車使用証明書」などによると、24年10月に実施された衆院選の期間中、県内の複数の地方議員が同党公認の小選挙区候補者に車を有償で貸していた。

 うち地方議員の1人は選挙期間の計12日間、自身が代表を務める会社の車を計19万3200円で候補者に貸し出し、車に取り付ける看板4枚も計21万4404円で貸していた。いずれの金額も公職選挙法施行令が定める上限額だった。この議員は23年の県議選でも党の公認候補に車を貸し出し、計14万4900円を受け取っていたことが確認された。

 議員は取材に、貸し出しに公費が充てられていることを認めた上で「金額の問題だと思う。相場より高額を受け取り、候補者にキックバックすればアウトだが、安価で貸している」と回答。自身は車検や保険、駐車場の料金などを負担しているとし、「公費で利益を得ている認識は一切ない」と述べた。車は党勢拡大を目的に購入し、選挙運動や街頭活動で使えるよう改装していると説明した。

 同党では昨年、公設秘書が代表を務める会社に業務を発注し、支払いに政党交付金を充てていたことなどが発覚。関係者によると、党は12月初旬、議員や議員が代表を務める会社など「身内」への政党交付金の支出を原則禁止する改正内規を所属議員に通達。選挙の際の公費負担なども「(政党交付金と)同様に国民の税金が原資。納税者から理解を得られる支出であるべきという再認識を」とあったという。

 県組織「兵庫維新の会」の代表を務める金子道仁参院議員は取材に対し、車の貸し出しで議員に公費が支出された状況について「違法行為ではないが、一定、社会通念上問題がある行為」と言及。所属する全議員へのアンケートを通じ、今年から身内への公費支出を控える旨を伝えたという。

 「全国市民オンブズマン連絡会議」(名古屋市)事務局長の新海聡弁護士は「法には触れないかもしれないが、同じ党の議員、候補者による公費の環流に当たり、選挙ビジネスと言われても仕方がない。少なくとも『身を切る改革』を掲げる政党の議員がやることではない」としている。(岡西篤志、斉藤正志)