■3空港一体運営を機に旅客数好転
神戸市が設置した神戸空港は、建設反対運動が起きるなど開港までに紆余(うよ)曲折があった。オープンしてからも旅客数が伸び悩むなど、運営が厳しい時期を経験してきた。同市の久元喜造市長(72)に、開港20年を迎えた思いやこれからの課題を聞いた。
-開港20年をどう受け止めるか。
「神戸空港はかつて(建設を巡って)反対運動が非常に激しく、開港後も日本航空(2010年に撤退)、スカイマークが経営破綻するという事態があった。廃港にすべきという意見さえあった」
「神戸空港は、今や神戸の国際都市としての発展を支える大きな財産。先人の努力に敬意を表したい。困難を克服し、開港20年を明るいムードで迎えられるのは大変喜ばしい」
-近年の旅客数は増え続けており、25年は初めて400万人を超えた。
「大きな転機になったのは、18年のコンセッション(運営権売却)だった。関西エアポートグループが、関西空港、大阪(伊丹)空港、神戸空港の一体的な運用を始めたことで、神戸空港を賢く使うことが大事なテーマになった」
「また、(関西経済連合会や地元自治体など官民による)関西3空港懇談会が再開され、神戸空港の利活用を進めることが関西全体の航空需要に寄与し、関西経済の発展につながるという理解が得られるようになった」
-30年に国際定期便の就航が予定されている。神戸市としてどのような取り組みが必要か。
「立地条件が良く、使いやすいという神戸空港の利点は、航空会社に評価されている。大きな国際環境の変化がない限り、国際定期便の就航は順調に進むだろう。それに向けて、駐機場の拡大は必要だ。ターミナルの拡大についても、関西エアポートの意見を踏まえながら計画を作成する。できるだけ早く基本計画を作り、設計に取り組みたい」
-国際線の新たな路線開拓への考えは。
「就航先が広がるということは、ビジネス、観光の両面で大きな拡大が見込まれる。特に東南アジアへの定期便就航を確実にできるように対応したい。東南アジアは経済成長が著しい。さまざまな意味でマーケットの拡大につながる」
-インバウンド(訪日客)誘客への考え方は。
「観光コンテンツの磨き上げや受け入れ態勢の整備、情報発信に取り組みたい。三宮、元町、北野エリアなどに観光客を集中させるのではなく、下町や山麓などのエリアも回ってもらえるようにしたい」
「神戸は都心近くに里山があり、豊かな自然と神社仏閣などの文化遺産が一体となった魅力的な場所がある。観光客が有名観光地の写真を撮って回るというだけではなく、神戸での滞在をゆっくりと楽しんでもらえるようにしたい」
-市内の宿泊需要増加への対応や空港アクセスのさらなる充実への考え方は。
「市内で建設中のホテルはかなりあり、グレードの高いものも含めて客室数は順調に増えていくだろう」
「ポートライナーを1編成増備することにしており、ダイヤ編成も工夫できないか検討している。具体的な計画はまだないが、中長期的には何らかの新たな輸送手段も構想していきたい」(聞き手・斉藤正志)
=おわり=
【ひさもと・きぞう】東大法学部卒。76年旧自治省(現総務省)入省。選挙部長、自治行政局長などを歴任。12年から神戸市副市長を務め、13年10月の同市長選で初当選した。現在4期目。同市兵庫区出身。























