医療用検査機器・試薬メーカーのシスメックス(神戸市中央区)は12日、浅野薫社長(67)が取締役に退き、後任に松井石根取締役専務執行役員(65)が昇格するトップ人事を発表した。4月1日付。浅野氏は6月の株主総会後、特別顧問に就き、研究開発の助言に当たる。2026年度に新たな中期経営計画が始まるのを前に、経営体制のさらなる強化を図るとした。家次恒会長(76)は留任する。
浅野氏は23年、社長を27年間務めた家次氏の後を継ぎ社長に就任。欧州やインド、中東などで主力の検査試薬の販売を伸ばし、25年3月期に連結売上高を初の5千億円台に乗せた。
グループ会社が手がける国産初の手術支援ロボット「hinotori(ヒノトリ)」を初めて海外に販売し、手術も成功。ただ近年は、中国政府主導で医療費抑制が進む同国市場で試薬販売が落ち込み、業績が悪化。株価も低迷していた。
松井氏は欧州の現地法人社長や国内販売の責任者を歴任するなど、国内外のマーケティングに長く従事。現在は国内・海外事業などの担当役員を務める。
この日開いた会見で、浅野氏は「中国事業を立て直すには、グローバル事業を担当してきた松井氏が適任」と説明。松井氏は「(世界的な)人口増と高齢化でヘルスケアの需要は底堅い。われわれの強みを極め、弱っている稼ぐ力を取り戻したい」と力を込めた。
浅野氏は神戸商工会議所副会頭については続投する。(横田良平、大島光貴)
松井 石根氏(まつい・いわね) 神戸大法学部卒。1985年東亜医用電子(現シスメックス)。カスタマーサポート本部長、執行役員海外事業推進本部長などを経て、2019年取締役常務執行役員。23年から現職。宍粟市出身。























