希望に胸を膨らませて大手居酒屋チェーンに入社した若者が過労自殺に追い込まれていく。過酷極まりない労働実態や揺れ動く心理が自然な筆致で描かれる分、読んでいて胸が苦しくなる。この筆力は人間観察力と取材に裏付けられてのことだろう。作家村山由佳は青春・恋愛小説の名手として知られるが、社会派小説のテーマに選んだのが過労死問題だ。
希望に胸を膨らませて大手居酒屋チェーンに入社した若者が過労自殺に追い込まれていく。過酷極まりない労働実態や揺れ動く心理が自然な筆致で描かれる分、読んでいて胸が苦しくなる。この筆力は人間観察力と取材に裏付けられてのことだろう。作家村山由佳は青春・恋愛小説の名手として知られるが、社会派小説のテーマに選んだのが過労死問題だ。