東日本大震災、もう１２年が経（た）つのですね。今から２８年前、阪急六甲駅で若い女性と出会いました。彼女は仙台から神戸にボランティアに来たこと、住まいも借りてお手伝いしていることを聞いた。
彼女のことばが耳の奥にずっと残っていた。それから１６年後、東日本大震災が発生。「恩返しをしたい」。私は１１月、ボランティアに行くグループに申し込んだ。朝７時に到着。まず宮城県山元町のいちご農家、といっても畑の面影もない原っぱの片付け。２日目は気仙沼へ。泥水の腐ったような臭いが漂う中、私のお手伝いは小高い丘にある体育館。入った途端、驚きに立ちすくんだ。
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