大学進学で上京するまでは神戸に暮らしていた。家では「神戸新聞」を購読していたから、自分が随想欄に寄稿すると決まったときはふしぎな気分を味わったものだ。4カ月にわたってお付き合いいただいたこのエッセイも今回でひと区切り。掲載紙たる「神戸新聞」の思い出を記して幕としたい。
まずは「イイミミ」に関する話。いわずとしれた本紙の名物コーナーで、読者が日常の出来事や感慨を電話かファックスで編集局に伝える。投書より気軽だから、花が咲いたとか、ちょっとした親切を目にしたといった身近な話が多い。
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