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 「赤ちゃんポスト」を東京にも、という報道がありました。一見、大切な慈善事業と思えますが、長年、特別養子縁組で多くの子を救ってきた人たちは懸念を感じてもいます。救える命は救いたい、という想(おも)いは皆同じです。私自身、実際に特別養子縁組に関わるまでその事情を知りませんでした。

 赤ちゃんポストというのは、生まれた赤ちゃんをなんらかの事情で、自分で育てることのできない人が、匿名で赤ちゃんを置いていくことができる、というものです。そのような状況にある人は、多くは未受診で孤立出産しています。出産というのは本当になにが起こるか分からないので、医療なしで自分だけで出産するというのは母子ともに危険を伴います。赤ちゃんポスト「だけ」を設置すると、一人で出産して赤ちゃんポストに預けよう、という発想になりかねません。日本で初めて赤ちゃんポストを設置した熊本県の慈恵病院は、そのリスクを考慮して「内密出産」を始めました。内密出産は、匿名で出産し、赤ちゃんを病院に置いていく、というものです。病院で出産できるという点では、孤立出産より安全ではありますが、出自を知る権利、特別養子縁組につなぎにくい、産んだあとの女性のサポートができない、などの問題があります。

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2022/12/7
 

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