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 世界で最も有名な水中遺跡と言えば、巨大木造軍艦ヴァーサ号。17世紀、北欧一の列強であったスウェーデンが国の威信をかけて建造した船だ。1960年代、70メートルを超える船体の95%以上がそのまま残った状態で発見され、急遽(きゅうきょ)、引き揚げられた。その作業は国民の注目の的となった。

 しかし、引き揚げてから長い道のりが始まった。水中に浸(つ)かっていた木材は、丈夫に見えてもセルロース等の成分が抜け出て代わりに細胞壁内は水で満たされている。これが、乾燥するとボロボロに劣化してしまう。そこで、特殊な溶液を細胞壁の中に詰めこむ必要がある。通常、遺物を溶液に1~2年間漬け込む。しかし、相手は巨大な木造船。そこで採用されたのが、船体にスプリンクラーを張り巡らし、溶液を噴射し続けること…なんとも気の遠くなるような、なが~いシャワーとなった…。最終的に一般公開されたのは、引き揚げから30年後だった。

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2022/10/14
 

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