俳優デビュー2作目は、「男はつらいよ」でご存じの山田洋次監督が脚本を書かれたテレビドラマ「遥(はる)かなるわが町」。顔合わせの日、本読みに立ち合われた山田監督から、出演者一人ひとりに役作りについてのアドバイスが始まる。芦田伸介さんに、倍賞千恵子さんに、いよいよ僕の順番だ、山田監督が口を開いた。「堀内君は問題外だね…」。見事にスルーされた…。山田監督の冷ややかな声が耳から離れず…稽古をしてもうまくいかない…。
本番当日、スタジオ前のベンチでうなだれていると隣に人の気配…。「堀内さん、デビュー作(ドラマ「わが愛」、1973年)を見せてもらいましたよ、素晴らしかったですね!」。ふと隣の人を見ると、渥美清さんだ。
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