神戸の東遊園地に阪神・淡路大震災で亡くなられた方々のお名前を刻んだ「慰霊と復興のモニュメント」という瞑想(めいそう)空間があり、すぐ脇で「1・17希望の灯(あか)り」というガス灯がともっている。当初の計画では犠牲者のお名前を掲示するだけでこのガス灯はなかった。
僕は笹山幸俊市長(当時)を訪ねた。「お名前を掲示してあるだけでは悲しみの場でしかありません。訪れた方が少しだけでも前を向けるものを造るべきです! 灯りをともすんです!」「灯り?」「震災で真っ暗闇だった神戸の町に全国各地から駆けつけてくれた方々は、絶望のドン底にあった神戸の町に、やさしさと思いやりの灯りをともしてくれたんです!」
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。