2021年の最後の2カ月は、奇妙な日々であった。11月、台北市の防疫隔離ホテルに2週間閉じ込められ、そこを出て劇場入りしてからは、目まぐるしく多くの人々と接し、そして帰国後の隔離期間の中で、ひとり年を越した。
台北市の高層ホテルの一室では、宙づりにされたような不思議な浮遊感を覚えた。地上16階の室内には、2週間分のミネラルウオーター、トイレットペーパー、シャンプーなどが準備され、なぜか全てのコンセント、リモコンや電話の受話器がビニールでカバーされていた。
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