職業柄、「どこで英語を勉強したのですか？」と聞かれる。「日本。基礎は、学校教育と受験英語」と答えている。帰国子女でない私の初めての海外は、外務省入省後ニューヨークのコロンビア大学大学院への留学だった。それまでは、「マルドメ」（まるで、ドメスティック）の人生だった。
英語との出会いは、桐朋学園。教科書を音読するアメリカ帰りの同級生が巻き舌で発音しようものなら、「そんな発音、日本じゃ通じないぞ！」と訳の分からないヤジを飛ばすような丸刈りの野球少年だった。大東亜戦争中に「敵国語」の教科書を焼いた母親から受け継いだＤＮＡか？ でも、英語の勉強は好きだった。増進会の添削にも好んで打ち込んだ。
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