霞が関の国家公務員に元気がないと言われる。官庁の中に入って38年余りたつ自分が見ても、そう思う。城山三郎の「官僚たちの夏」に描かれたような、天下国家を背負う気概が感じられなくなって久しい。
なぜか? 「政治主導」や国会対応への疲弊に答えを求める向きは多い。そのあたりは、退官した後に思いの丈を述べることとしたい。むしろ、問題は組織の中にもあると見ている。上司が部下を、先輩が後輩を鍛え育てる気風が年々薄れていっているのである。
この記事は会員限定です。新聞購読者は会員登録だけで続きをお読みいただけます。