「豪州での生活を楽しんでる?」。赴任して9カ月になる今、よく聞かれる。「非常に快適」と答えると豪州人は頷(うなず)く。「食事がとにかくうまい」と言うと「そうだろう」と満面の笑みが返ってくる。
「快適さ」を紐解(ひもと)いてみると、まずは人と人との距離。日本の20倍以上もある広大な大地に人口は5分の1の約2500万人。だから人口密度は100分の1。シドニーやメルボルンのような大都会でも郊外に30分も車を飛ばせば、人っ子一人見当たらない原野が広がる。ネオンと無縁の夜は限りなく暗く、眠りは深い。
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