ヤマモトマサアキ・画
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  第一章 のぼせ者(三十七)

 主君である長慶は河内の飯盛山城に籠って、勝ち戦の勢いに乗る畠山軍と根来衆の攻撃をしのぎ続けていた。次弟である安宅冬康も岸和田城にて同様の状態で、こちらもいつ落城してもおかしくはなかった。