清田隆之
 清田隆之

 ここ数年、世間ではルッキズムという言葉がかなり浸透してきたように思う。「外見至上主義」とも訳されるこの言葉は、主として人を見た目でジャッジする風潮を批判的に捉える文脈で使用される。外見に基づく差別や偏見はあってはならず、容姿に上も下もなく、個人個人の特性があり、それぞれの多様な美が存在しているのだ─というふうに、この言葉の浸透によって外見重視の価値観が見直されるようになったのはとてもポジティブなことだと思う。例えばバラエティー番組における容姿イジりや自虐ネタ、様々な大学で開催されていたミスコンなど、それまで空気のように存在していたものが“時代遅れ”と見なされるようにもなった。