地産地消くらぶ
<38>鳴門オレンジ農家 高栄幸雄さん(66)淡路市
兵庫県淡路島原産のかんきつ類「鳴門」。明治期の文書「鳴門蜜柑栽培要略 全」には1827(文政10)年、現在の洲本市で見つかり広まったとの記述が残る。「鳴門オレンジ」「なるとみかん」などと呼ばれ、春から夏にかけて鮮やかな黄色い実を付ける。大きさは小ぶりな夏みかんぐらい。厚さ5ミリ程度の皮をむいた途端に果汁がこぼれ出て、口に入れると独特の味わいが広がる。甘さだけでなく軽い刺激を感じるほどの酸味がある。
「この季節は、田植えと鳴門の収穫の手伝いが日課。おやつはいつも鳴門のジュースだった」。淡路市大谷で祖父母の代から続く鳴門農家。鳴門は日当たりが良く、北風の吹かない南向き斜面で育つ。2カ所のミカン山計約30アールに約80本を栽培し、毎年3~5トンを収穫する。
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