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加古川西高吹奏楽部トランペット奏者の稲岡未歩さん
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加古川西高吹奏楽部トランペット奏者の稲岡未歩さん

■加古川西高吹奏楽部 稲岡未歩さん(17)=兵庫県加古川市

 屈託のない表情で大きく息を吸ってから、噴き出して伸びやかな音を奏でる。「トランペットが本当に好き。練習も苦に感じたことはない」

 昨年初めて、全国の高校からさまざまな楽器のソリストが集まる「日本クラシック音楽コンクール全国大会」を経験した。周りを見渡すと、音大付属校や有名私立高校の生徒ばかり。他の参加者が華やかなドレスに身を包む中、「雑草魂」を示すために一人、制服で臨んだ。不安を打ち払いながらステージに立ち、「これ以上ない演奏ができた」と笑顔で振り返る。

 トランペットとの出合いは小学生の時。低学年のころ、学校のクラブ活動で演奏する上級生の姿を見て、金管楽器に一目ぼれした。4年生になると、迷わず金管バンドのクラブへ。「一番の花形」と母に勧められ、トランペットを始めた。音を出すと、快活な音色に引かれて練習にもどんどんのめり込んでいった。

 中学の吹奏楽部では、月1回外部から来る芸大の先生から、高レベルな練習を教わった。先生の演奏をまねし、胸をいっぱいに膨らますような息遣いやマウスピースの角度まで、必死に技術を盗んだ。

 小中学校で一緒にトランペットを演奏した二つ上の先輩の音色に憧れ、先輩がいる加古川西高校に進学。「少しの音程のずれも厳しく指導してくれる先輩の下でなら、もっとうまくなれる」。追い付きたいと毎日3時間、集中して鍛錬する。

 テスト期間中も、学校が閉まる直前まで練習することも。吹奏楽部内では部員を引っ張る。積極的に声をかけ、技術や音合わせで細かく指示を出す。昨年は部の創立以来初めて、県大会で金賞を受賞。その存在には、東播の他校の吹奏楽部顧問らも一目置く。

 「全国に挑めるのは、刺激がある環境だから。背中を押してくれる吹奏楽部の仲間たちのおかげ」。大好きなトランペットをいつも傍らに、未来を見据える。

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