東播

  • 印刷
警防技術錬成会で放水する前野紗季さん(右)と補助する豊島輝夕さん=消防救助訓練場
拡大
警防技術錬成会で放水する前野紗季さん(右)と補助する豊島輝夕さん=消防救助訓練場

 2019年に初の女性消防士が1人誕生した兵庫県高砂市消防本部で、後に続く女性消防士2人が今年4月に採用され、訓練に励んでいる。県消防学校(三木市)で半年間、体力強化に励みながら、消防や救助の基礎を身に付けた。10月中旬に同本部の消防救助訓練場(同市松陽4)であった「警防技術錬成会」では放水を披露し、順調な成長ぶりを示した。(笠原次郎)

 大学卒業後に入職した前野紗季さん(23)=高砂市=と、高砂南高校出身の豊島輝夕(きせき)さん(19)=同県姫路市。昨年、同本部を受験したのは男性10人、女性2人。体力的に勝る男性たちと競った結果、この2人だけが採用された。

 前野さんは大学で止血などの救急法を学んだのをきっかけに、消防士を志したという。豊島さんは高砂南高校1年の時、防災訓練のために訪れた同本部隊員の姿に憧れ「私も誰かの役に立ちたい」と思い立った。

 2人は9月下旬まで6カ月間、県消防学校で寮生活を送りながら、消防士としての基礎を学んだ。3日間連続で朝から夕方まで続いた救助訓練や、未明から13時間かけて50キロを行進する訓練もこなし、精神力を鍛えた。同校によると女性消防士は増加傾向にあり、今年、県内各地から集まった新人158人のうち女性は17人で、その比率は過去最高だったという。

 10月18日の同錬成会で2人は、1分以内で素早く防火衣に着替えて空気ボンベを背負った。ポンプ車から20メートルのホース2本をつなぎ、的に向けて放水。前野さんは「円形のホースを転がして真っすぐ延ばすのがうまくいった。消防学校でも男性と同じ訓練をこなしてきたので、女だからできないという考えを払拭(ふっしょく)し、火事現場などでも頑張っていきたい」と熱い思いをのぞかせる。

 豊島さんは「現場に一刻でも早く着くため、防火衣を前より早く着られるようになった。救急車で運ばれる妊婦さんに声をかけるなど、女性だからこそ『生きる現場』があると思う。女性隊員を目指す人の道しるべになりたい」と話した。

東播高砂南高校
東播の最新
もっと見る
 

天気(9月7日)

  • 34℃
  • 27℃
  • 20%

  • 36℃
  • 24℃
  • 40%

  • 35℃
  • 26℃
  • 20%

  • 35℃
  • 25℃
  • 30%

お知らせ